こんにちは!ひーちゃんです!
重い腰を上げてやっとブログを書きました笑
はじめに言っておきます。
めっちゃくちゃ長いですm(_ _)m
改めまして、劇団AQUA第18回公演 きつねつき にご来場くださいました皆様、本当にありがとうございました。
当日のパンフレットにも書いていましたが、
エンタメが多く存在し、家の中でも沢山のエンタメが楽しめるこの世の中で、わざわざ劇場まで足を運んで演劇を観るということは、とてもハードルが高い事だと思います。(しかもめちゃくちゃ暑い中)
だからこそ、ご来場頂いたお客様には少しでも楽しんでいただけるように、私なりに全力で頑張ったつもりです。
んー何から書こうかなぁ…書きたいことはいっぱいあるんだよなぁ笑
まず今回の公演の企画の段階の話をしようかな。
色々あって今までと脚本家が変わって、もちろん脚本家が変われば作風も変わって。
正直、最初は戸惑ったし、めちゃくちゃ不安でした。
この作品の世界観を自分に表現できるのか、お客様に上手く届けることが出来るのか。楽しませることが出来るのか。
全く自信が無かったし、逃げたいって思ってた時も正直ありました。
序盤は役者の稽古への参加率があまり高くなくて、それもあってで役者全員があまりモチベーションが高くなかったと思います。
ここだけの話、公演を中止した方が良いとも思っていました。
多分これは私だけじゃないと思います。
でも団長は公演をやると決めました。
公演をやると決めたからには、絶対にやりきらなきゃいけない。
私達の公演を楽しみにして、劇場に足を運んでくれるお客様がいる。
自分達のために時間を割いて、観劇しに来てくれる人がいる、その人達に失礼なことは出来ないし、したくない。
毎公演その精神で頑張っていますが、今回は特にでした。
皆様のお陰で、今回も頑張れました。
観劇してくださった皆様、本当にありがとうございました。
次に今回の役の話をしよう。
これも当日パンフレットに書いたことですが、私が演じたコはぜは、一言で表すなら、真面目。
日曜夕方に放送してる某アニメに出てくる学級委員長みたいな、ルールブックが服着て歩いてるみたいな感じの役です。
頭が固くて融通が効かなくて、マニュアル通りにしか仕事が出来ない。
つまり利点が効かなくて、仕事が出来ない奴。
実はこれ、私のことでもあるんです。
正確に言えば、小学校~高校生くらいまでの私が正にこんな感じで。
実際、学級委員長や部活の部長もやっていたし、正義感が強すぎる子供でした。
正義感が強いが故に、ルール通りじゃないことは全部間違いだって決めつけて、時には人を傷つけることを言ってしまったり、ハブられたり虐められたり…
大人になった今でも、たまに昔のことを思い出して嫌な気分になる時があります。
今の自分にも、昔の嫌な自分の欠片が残っていると思うと虫唾が走るくらいには、私は昔の自分が嫌いです。
私が言ってしまった言葉も、行動も、無かったことには出来ない。
だからこの嫌悪感と罪悪感は私が一生背負って生きなきゃいけないものであり、決して許してはいけないと思っています。
だから性格矯正した所もあるんですけどね。
そんな昔の私に似ていて、且つ自分の嫌いなところを誇張したようなキャラクターのコはぜが、私はとにかく嫌いでした。
真面目で正義感が強くて、それが故に不器用で頭が固くて、浅はかな考えだけで相手を傷つけて、色んなものを失う…みたいな生き方をしていて、絶対にそんな生き方しない方がいいってコはぜに言ってやりたいくらいです。
正直、最初の脚本読みの時にマリィ(脚本家)にコはぜを指名された時、「マジか…」と思いました笑
でも指名して貰えたからには絶対に物にしなきゃいけないとも思いました。
脚本に書かれた文字通りに演じたら、絶対にコはぜは嫌な奴になってしまう、皆に嫌われてしまう、私はそれが嫌だった。
そんな風に演じてしまったら、多分私が壊れてしまう。
舞台に立つどころの話じゃ無くなってしまう。
それに、せっかくマリィが書いてくれたコはぜというキャラクターを嫌われ役にはしたくない。(私は嫌いなくせにね)
どう演じたら良いのか、めちゃくちゃ考えました。
今までも割と台本は読み込むタイプだったけど、今回は今までの比じゃなかった。
苦しかった。とにかく苦しくてしょうがなかった。
辛かった。何度も逃げたいと思った。
自分の古傷を抉りまくって、メンタルがボロボロだった。
いっぱい泣いた。眠れない夜が何度もあった。食慾が無くなる日もあった。本当に辛かった。辞めたかった。
でもコはぜにはエびねが居たように、私にも仲間が居た。
平日、仕事終わりにも関わらず頑張って稽古に来てくれたり、普段の稽古は日曜日なのに、土曜日の追加稽古に嫌な顔ひとつしないで参加してくれる。
みんなの気持ちが、何とか作品を完成させることに向いていた。
毎週団員に会う度に、「負けられない、頑張らなきゃ」って何度も思った。
もう10年以上演劇に携わってるけど、こんなに内容が濃い稽古期間は今回が初めてでした。
実は私、1回AQUAを辞めていまして…出戻りなんです。
団員からお声がけ頂いて、今回の公演のために戻ってきました。
まさかその前に代役で舞台に立つとは思っていませんでしたが笑
今回の稽古中、俯瞰的に稽古場を眺めていた事が何回かあって。
その時ふと「あぁ、戻ってきて良かったな。」と思いました。
ここには演劇が好きな人が沢山いる。
作品を作り上げるために切磋琢磨出来る仲間がいる。
私が戻ってきた意味はちゃんとあったんだ。
そう思える稽古期間でした。
小屋入りしてから千秋楽が終わるまで、本当に一瞬でした。
みんなで最後の仕上げをする時間って何であんなに楽しいんでしょうね。
文化祭の準備をしているみたいで、無駄にワクワクしてました笑
でも本番直前は吐きそうな位緊張してました。
普段は緊張しても結構冷静なのですが、今回はセリフが飛びそうで怖くて怖くて…開演前は舞台裏でずっと回遊魚になってました笑
本番3公演は本当に全部が楽しかった。
頑張って作り上げた作品をお客様にお届けできる喜びに溢れていました。
でも公演を重ねる度に寂しさもどんどん募っていって、千秋楽は開演前から涙腺がゆるゆるでした。
千秋楽のカーテンコールでももう既に泣いていましたが、カーテンコールが終わった後、閉じきった緞帳の中で嗚咽を漏らしながら泣きました。
泣けてしょうがなかった。
何故あんなに泣いたのか、その時はよく分からなかった。
達成感なのか、やっと解放されたからなのか、分からないけど泣けてしょうがなかった。
でも、今思えば多分寂しかったんだと思います。
約2ヶ月間、ずっと自分の傍にあった作品が終わってしまった。
そして、誰よりも傍に居たコはぜと一緒に居られる時間が、辛くてしょうがなかったけど、充実感に満たされていた時間が遂に終わってしまった。
その寂しさと喪失感に泣けてしまったんだと思います。
おかしいよね、コはぜのことは嫌いなのに。
稽古期間、苦しくてしょうがなかったはずなのに。逃げたかったはずなのに。
終わってしまった事がどうにも寂しい。
正直、今でもまだ寂しいし、コはぜを思い出して泣くこともあります。
役者としてこんなことを言うのはおかしいと思いますが、コはぜの理解者は私だけで良い。
私が作り上げたコはぜの全てを理解出来るのは、私だけが良い。
そう思ってしまうくらいには、コはぜに独占欲を抱いています。
おかしいよね、こんなに嫌いなのに。
でも、脚本より先の未来のコはぜの世界が、少しでも苦しくないものではありますように、コはぜにとって辛いものではありませんように、そう願ってしまうくらいには、コはぜのことを大切に思っていますし、愛しています。
ありがとう、コはぜ。
貴方のお陰で、少し息がしやすくなった気がするよ。
私は結構寂しがり屋だから、もう少しだけ、気持ちの整理がつくまではコはぜに依存して生きようかな。
ちゃんともう1回、コはぜと向き合ってみようと思います。
そしていつか、コはぜのことをちゃんと好きって言えるようになったら、またどこかで会えたらいいな。
今回の公演、賛否両論はありましたが、有難いことに沢山のお客様からご好評を頂くことが出来ました。
私自身も、この公演に携わることが出来て、本当に良かったと心から思います。
私の演劇人生において、忘れることは無い大切な思い出になりました。
長くなりましたが、こんな纏まりもへったくれも無い文章を最後までお読み頂き、ありがとうございました。
次回公演はまだ未定ですが、これからも劇団AQUAの応援を何卒、よろしくお願いします!